名前を覚えない方が、私の名前だけ呼んでくれたーリヤンド姉崎で15年、深め続けてきた介護という仕事

介護スタッフ フロアリーダー 片山
新卒入職から15年目。リヤンド‐絆‐姉崎へのリニューアル後も変化の最前線に立ち続けてきた。喀痰吸引等研修の資格を持ち、医療依存度の高い方を受け入れている医療対応フロアでも4ヶ月ほど勤務。現在はフロアリーダーを担い、後進の指導にも携わっている。
★前回インタビュー記事はこちら★
職員同士の仲の良さが生み出す働きやすさ。新しい施設の将来性への期待
<目次>
・終末期ケアで知った倫理観
・フロアリーダーを引き受けた理由
・名前を覚えないご入居者様の話
・新人スタッフの声を吸い上げる
・長く働けている理由
医療と介護の境界線で、「知ること」の大切さを改めて知った
リヤンド‐絆‐姉崎にリニューアルして3年ほどが経ちます。もともとうちは有料付き有料老人ホームとして、比較的状態の安定したご入居者様を中心に対応してきました。それからリニューアルを経て24時間訪問看護の体制が整い、医療依存度の高い方とも関わる機会が増えました。
私自身、医療対応フロアの方に異動して、4ヶ月ほど勤務も経験しました。パーキンソン病や神経難病の方、がん末期の方、気管切開をされている方、人工呼吸器をつけている方など、これまでの介護フロアではなかなかお目にかかることのなかった方たちと、介護職員として関わらせていただきました。
最初は戸惑いも大きかったです。しかし、昔から『無知は恐怖』『知る努力』という言葉を意識して仕事をしてきたので、分からないことは自身でも勉強し、看護師さんにも質問させていただいて、経験と知識が少しずつ積み重なっていきました。
処置することが、必ずしもケアではない。終末期ケアで知った倫理観
医療フロアに勤務した4ヶ月の中で印象に残っているのが、看取りケアを通じて得た気づきです。
私は喀痰吸引の資格を持っています。医療対応フロアでは吸引が必要な場面に立ち会うことも多くありました。一方で、看護師さんと一緒に夜勤をするなかで教えてもらったのは、「終末期の方に、頻度多く吸引をすることが望ましいことなのか」ということでした。
吸引は痰を取り除く行為ですが、処置の際はご本人にも痛みが伴います。終末期でご状態が本当に悪い方に対しては、むやみに吸引を繰り返すことはかえって負担になるということを教えてもらいました。喀痰吸引の研修では、「取る技術」は学びましたが、「取らない判断」については、現場で看護師さんから初めて教えてもらいました。
ご本人が「苦しい、取ってほしい」と意思表示できる方であれば、もちろん対応します。でも終末期の方の多くは、最期の頃にはコミュニケーションが難しくなっていきます。そうした方に対して、こちらの判断で過度に処置を続けることが、苦しめていることにもなる。こうした倫理観は、新たな気づきとなりました。
ほかにも褥瘡のある方への入浴介助について、傷の状態・深さに応じてどこに圧をかけてはいけないか、どんな体勢で介助すべきか。そういうきめ細かな知識を、医療対応フロアでの実際の場面を通して学ぶことができました。

フロアのお荷物だった私が、リーダーを引き受けた理由
正直に話すと、入職したばかりの頃の私は、フロアのお荷物だったと思います。仕事への意識が低くて、言われたことをこなすのが精いっぱい。当時は「資格なんて別に取らなくてもいいか」という気持ちだったように思います。
変わるきっかけは、数年前に父が亡くなったことです。「今までのままじゃダメだ」という気持ちが強くなって、自分がやるべきことにちゃんと向き合わなければと思い始めました。
昨年の4月、施設長からフロアリーダーを打診されました。最初は「自分には向いていないです」と断ろうとしました。リーダーシップを発揮するタイプではないし、他人を強く叱ることも得意じゃない。サポートする側でいる方が自分らしいと思っていたんです。
でも施設長が、私の良いところを話してくださって。感情的にならず、何が問題かを客観的に見て、ちゃんと言葉にして伝えてられる。それが強みだと言っていただいて、「じゃあ頑張ってみます」と引き受けさせてもらいました。
リーダーになってから改めて決意したのが、「介護福祉士の資格を取ろう」ということです。新しく入職される方の中には、すでに介護福祉士の資格を持っている方もいます。そういう方々に指導させていただく立場として、自分が資格を持っていないというのは、少し気が引ける思いがありました。
リーダーとしてふさわしい人間でありたいと思って、今年1月には介護福祉士の試験を受験しました。まだ結果待ちですが、改めて勉強をし直せたこと自体が、受けてよかったと思っています。

スタッフの名前を覚えない方が、私の名前だけ話してくれた
フロアリーダーを担うようになってから、看取りケアの会議にも参加するようになりました。フロアリーダー、相談員、ケアマネージャー、看護師が集まって、「どうしたらご入居者様によりよい最期を過ごしていただけるか」を話し合う場です。その中で看取りケアについて勉強させていただいたのが、「ボディタッチ」の大切さです。終末期になると、言葉のやり取り以上に、手をつなぐ、そっと触れるといったボディタッチが、その方の安心感につながることが多いということを学びました。
以前お看取りをしたご入居者様で、スタッフの名前をほとんど覚えない方がいらっしゃいました。いろんなスタッフが関わっていても、誰も名前を呼ばれたことはなかったと思います。それでも私は、いつも通り声をかけて、手をつないで、世間話をしながら関わっていました。
その方が亡くなられた後、ご家族から教えてもらったのが、「片山さんのことを、よく話していました」ということでした。「片山はいいやつだ」と言ってくださっていたと、後で知りました。
何か特別なことをしたわけではなく、ただ手をつないで、そっと寄り添って話しかけて、関わり続けた。すると、全然名前を覚えなかった方が、私の名前だけは覚えてくれていた。その事実が、本当に心に染みました。15年間さまざまなご入居者様と向き合ってきて、とても印象に残っている、嬉しかった瞬間です。

新人が持ってきてくれた「違い」が、フロアをよくする
リーダーとして大切にしていることが2つあります。
ひとつは、「離れない」こと。介護現場は忙しさの中で、指導者が新人から離れてしまいがちです。でも、入職したばかりの頃は、周りとの関係もまだ薄い。孤立させないためにも、しっかり近くに寄り添っていきたいと思っています。新しく入職される方には、まず連絡先を交換するようにしています。仕事のことで困ったら、勤務時間外でも気軽に聞けるように、という思いからです。
もうひとつは、「前の施設でのやり方や経験を、積極的に聞き入れること」です。私はずっとここで働いているので、知識がリヤンド姉崎の中だけで完結してしまっているという自覚があります。新しく入職してくださった方が、「以前の職場ではこういうやり方をしていました」と教えてくれることは、とても参考になっています。
「うちのやり方はこうだから」で止めてしまわずに、新人さんが持ってきてくれた視点や経験をフロアに吸収したい。良いところはどんどん取り入れて、より良いフロアにしていきたいというのが、リーダーになった当初から持っている目標です。
フロアリーダーになってまだ1年も経っていませんが、この目標はこれからも変わらず持ち続けていきたいと思っています。

職員同士の横のつながりが、ここに居続けたいと思わせてくれる
「15年も続けてこられた」とよく驚かれるのですが、自分の中ではあまりそういう実感がなくて。あさひガーデン姉崎時代から勤めている先輩がまだ4〜5人いらっしゃって、中には20年選手の方もおられます。そういう先輩と比べると、15年なんてまだまだという感覚でいます。
長く続けていられる理由を聞かれると、真っ先に浮かぶのは職員間の仲の良さです。いじめとか、陰口とか、そういうものが全くなかった。嫌な人間関係があれば、どんなに仕事が好きでも、長く続けることは難しかったと思います。
前回のインタビューでも話したのですが、今でも先輩たちとよく食事に出かけたりします。リヤンド姉崎になってから入職したスタッフも誘って行くこともあります。そういう横のつながりが、ここに居続けたいと思える理由になっているのだと思います。
仕事の経験を積むだけでなく、ここで出会った人たちと長く付き合っていきたい。そういう気持ちが、自然と根付いている職場です。
(写真・インタビュー・文:MottoBrand 福井勝雄)
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