チームで想いを叶える場所─リヤンド荻窪で描く、願いを支える看護

リヤンド荻窪 看護師 菊池
これまで病院勤務を24年・訪問看護で1年半ほど勤務。救急・急性期から慢性期看護まで幅広く従事し、病棟主任も経験。2025年1月にNSリヤンド株式会社に入職。リヤンド荻窪の訪問看護管理者として勤務。
▼目次
・私の看護師人生
・リヤンド荻窪で見つけた新しい看護
・チームで叶えるケア
・一緒に働く仲間たち
・“その人らしさ”を支える看護がしたい方へ
27年の看護師人生─私がリヤンド荻窪にたどり着くまで
看護師資格を取ってから、約27年間看護師を続けています。病院勤務は24年間、訪問看護は1年半ほど。これまでに小児科、救急外来、ICU、慢性期病棟など、さまざまな分野で経験をしてきました。
看護学校卒業後、小児科を学びたいと思い入職した病院で小児科が閉鎖となり、初めに配属になったのは内科、呼吸器、血液疾患の混合病棟でした。3年間働いた後、以前から興味のあった青年海外協力隊としての看護の道を目指して、働きながら語学を学びたいと考えワーキングホリデーでオーストラリアへ渡りました。
オーストラリアでは日本人との関わりが多く、英語はあまり上達しませんでしたが(笑)、海外で生活するなかで「やっぱり私は看護を続けたい」と気づきました。日本に戻ってからは救急外来で7〜8年、その後は小児救急で有名な病院のICUを含む小児科病棟で経験を積みました。
結婚と出産も経験。ライフステージが変わるたびに環境を選び直してきましたが、「オールマイティに動ける看護師でありたい」という思いで続けてきました。そして今、これまで培った知識・技術が活かせる場所としてリヤンド荻窪にいます。
その場で見て、判断する─訪問看護で得た新しいやりがい
自分の経験やスキルを活かして、社会貢献できることは何かと考えた時に、「これからは訪問看護がもっと必要になる」と感じました。ニュースでも在宅医療の重要性が取り上げられるようになっていた頃です。
救急で培った「自分で見て判断する力」は訪問看護でも活かせるはずだと考え、大手の訪問看護ステーションに転職しました。ただその当時は訪問看護で働く看護師は少なく、スタッフも少ない状況。オンコールの負担が非常に大きかったです。夜中の呼び出しも多く、子育てとの両立が難しくなり、一度は病院勤務に戻りました。
それでも、「訪問看護だからこそできる看護がある」という想いは消えませんでした。自分が見て感じたことをそのまま判断に活かすという責任の重さはありましたが、それ以上にやりがいも大きかった。だから、いつかまた訪問看護に関わりたいという思いは、ずっと持っていました。
その人らしさを支える、新しい看護のスタイル
そんなときに知ったのが、「医療対応型ホーム」という形態でした。施設内で訪問看護を行う事業所が増えていると聞き、「ここなら自分の経験を活かせるかもしれない」と思ったのです。リヤンド荻窪への入職を決めた大きな理由です。
施設型訪問看護は、病院と在宅の“いいとこ取り”ができる環境です。医師やリハビリスタッフ、介護職など多職種でチームを組みながら、いろいろな目線や角度から、一人ひとりの入居者様と深く関わることができます。
人と人との関わりですから、やはり相性の良し悪しはあります。だからこそ、その方と一番打ち解けているスタッフが、「今日はこうしたいんじゃないかな」「こんな気持ちかもしれない」といった小さな変化や気持ちを汲み取ってくれることがあります。
人生の最期に向き合う中で、「この方はどう過ごしたいのか」「何を大切にしたいのか」をスタッフ全員で情報を共有し、想いを形にしていく。病院でも在宅でも難しいケアが、ここではチームの力で実現できると感じています。
「お風呂に入りたい」「散歩に行きたい」─チームで叶えるケア
特に印象に残っているのは、ALSを患う全介助の入居者様が「お風呂に入りたい」「散歩に行きたい」と希望されたときのことです。
呼吸器を装着したまま希望を叶えるには、安全面で多くの課題がありましたが、スタッフ全員で何度も話し合い、方法を探しました。屋上に散歩へ連れて行けるようルートを確保し、安全管理を徹底。さらに、呼吸器をつけたままでも安心して入浴できるよう、ストレッチャー型の浴槽を施設で購入し、環境を整えました。それからは毎週1回、温泉の素を入れて「温泉気分」を楽しんでいただく時間になっています。
こうした取り組みを見た、アルバイトに来ていた病院勤務の看護師さんからは、「こんなことまでされてるんですね」「病院じゃこれはできないですね」と驚きの声をいただきました。病院や一般的な在宅ではなかなか実現が難しいことを、施設だからこそ叶えられた瞬間でした。
また、ご家族の協力もとても大きな力になっています。ある入居者様の娘さんがピアニストで、「父に演奏を聞かせたい」と希望されたときは、スタッフ全員で協力し、施設内でミニコンサートを開催しました。入居者様の穏やかな表情と、演奏を聴きながら涙を浮かべるご家族の姿は、今でも心に残っています。
入居者様を大切に想われているご家族からは、ご逝去の際「ここに入れて良かったです」というお言葉を多くいただきます。そのたびに、「頑張ってよかったね」「その方にしっかり寄り添えたね」と、スタッフ全員で分かち合います。忙しい中でも力を合わせて取り組んできたことが報われる瞬間です。
“食べる楽しみ”を諦めない、嚥下専門チームの力
リヤンド荻窪では、「最後まで口から食べたい」というご入居者様・ご家族様の想いに応えるため、ST(言語聴覚士)さんや嚥下評価の専門チームと連携し、できる限り安全に、そして楽しく食事を続けられるようサポートしています。
病院では中止されてしまうようなケースでも、嚥下状態に応じて食形態やとろみの強さを細かく調整したり、姿勢を整えたり、最後まで「食べる楽しみ」を大切にしています。必要に応じて内視鏡カメラでの嚥下検査も行い、ご本人の状態に適した方法で支援しています。
「この方は食べることが好きだから、なんとか口から食べさせてあげたい」そんな想いをスタッフみんなで共有しながら、施設だからこそできる可能性を追求しています。
これはリヤンドにはいろんな専門チームがいるから実現できることだと、実感しています。
「どうしたら叶えられるか」を自然に考える仲間たち
リヤンド荻窪で働くスタッフは、本当に前向きで温かい人ばかりです。看護師、介護職、管理者と職種は違っても、誰もが自然に「どうしたら叶えてあげられるか」を考えています。
直接関わっているスタッフから「なんとかしてあげたいんですけど…」と、私たち管理者に対して積極的に情報を提供してくれる場面が多くあります。そうした意見が新しいケアにつながることも少なくありません。
“その人らしさ”を支える看護がしたい方へ
リヤンド荻窪には、病院でも在宅でもない、ここだからこそできる看護があります。
ご入居者様やご家族様の想いに耳を傾け、「こうしてあげたい」という想いに応えるために、自分に何ができるかを一緒に考え、実現していける方にぜひ来ていただきたいです。その過程は決して簡単ではありませんが、やりがいは本当に大きいです。少しでも興味があれば、ぜひ飛び込んできてほしいです。
(写真・インタビュー・文:MottoBrand 福井勝雄)
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病院とも在宅とも違う、新しい看護の形を私たちは実践しています。入居者様やご家族の想いに応えるケアを、あなたも一緒に考えてみませんか?少しでも興味があれば、ぜひお気軽にご相談ください。